システムを入れる前にやるべき「2つの整理」〜なぜ生産性は上がらないのか?〜

「高額なシステムを入れたのに、現場の手間が減っていない気がする……」
これは、多くの経営者様や現場のリーダーが直面する切実な悩みです。
結論から言えば、業務整理を伴わないシステム化では、生産性は絶対に上がりません。
今回は、システムを導入する前に立ちはだかる「データ」と「人」の壁について解説します。

1. ゴミを入れても、ゴミしか出ない「データの壁」

はじめて業務アプリを導入する場合、これまでの業務内容を整理して、新たにシステムに合ったデータを登録していく必要があります。
なぜなら、Excelやノートに「自由に記録された過去のデータ」はルールがなく、システム上で扱うと必ずエラーを起こすからです。

【よくある「使えないデータ」の典型例】
  • 人によって項目の数や、並び順が違う
  • 「数値」を入れる欄に「テキスト(円、個など)」が混ざっている
  • 絶対に後で必要になる「必須項目」が空欄になっている
  • 数値の小数桁数がバラバラ

その場限りの目視チェックであれば誤魔化せますが、データが増え、システムで効率的に管理しようとした瞬間にシステムは停止します。
システム導入の有無にかかわらず、できるだけ早いうちに「データの整理整頓(クレンジング)」を習慣づけることが不可欠です。
項目を設定し、必須項目を確定させ、例外が起きた時の避難方法(ルール)を決める。これだけで、将来システムを入れた時の「財産」に変わります。

2. 効率化を拒む「人の心理」の壁

データの整理以上に厄介なのが、業務の属人化と現場の心理です。
代々引き継がれている業務は、担当する人によってやり方が変化し、同じ業務でも複数の様式が混在する「魔改造」が行われがちです。
そして、システム化で業務が半分の時間で終わるようになった時、意外な問題が発生します。

自分で創造的に仕事を展開できない立場の人にとって、業務時間中に「空いた時間」ができることは、恐怖でしかありません。

複雑で手間のかかる処理を、自分なりのやり方で何とか回してきた担当者は、そこに「自分の存在意義」を見出している場合があります。
システムによって仕事が奪われるような精神的負担を感じ、強い抵抗感を示すことは決して珍しくありません。
システム化の担当者と実務担当者が違う場合、この「現場のリアルな感情と業務実態」を深く把握する必要があります。

3. 終わりのない「伴走」だけがシステムを定着させる

こうした壁がある以上、新しいシステムを「一度指示して終わり」で導入できることは絶対にありません。
必要なのは、強いリーダーシップと、現場との信頼関係です。

  • 慣れない作業に寄り添い、共に手を動かすこと。
  • 現場の不満から改修点を洗い出し、できる範囲でシステムをカスタマイズしていくこと。
  • これを「軌道に乗るまで何度でも繰り返す」こと。

そして最後に、「生産性が向上したのちの状態(ゴール)」を思い描いて共有しておくことが重要です。
単純な数値化が難しい業務だからこそ、システムという「箱」を入れる前の、泥臭い業務整理と伴走が成否を分けるのです。


あなたの会社の「データ」、そのままシステムに入れられますか?

システム導入で失敗しないためには、事前の「業務クレンジング」が必須です。
現場の混乱を解きほぐし、システムに乗せられる状態へと整理する伴走支援を行っています。
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